おじさんが最近気になる「現代用語または使用法」その一・「父兄」「子女」
2007-05-12


この欄は「旅ブログ」のたび内容ではありません 番外です
それは「言葉の乱れ」「言葉の揺れ」です だからといって「最近の若い者は!」とかは言いません 「ベービー・ブーマー」のわたしたちがまだ若かってころも、年長者から「それおかしいぞ!」とか言われていたし、マクロ的に歴史的に言うと,すでに平安・鎌倉期からそういう問題が、言われていたからです

もちろん言葉も生き物ですから、時代とともに変遷して当たり前のことです 問題は使っている人、グループにしかその言葉が通用しないことが問題でしょう また時代の変化に対応できない「古い方」がいるのも事実です

さて第一回は有名な「(ご)父兄」という語について書いてみましょう
(中高年・マスコミがなぜか多用)

「ご父兄」・・正確には「保護者」である 時に教育関係者などで「父母のみなさん」とかいって少し進化したような表現をしているが、今のこの世の中子供を育てるのは父母以外に祖父母もオジ叔母も兄姉もいるし、施設にいる子も多くいる 

いま離婚(バツイチ)・育児放棄・貧困など社会問題が多く存在する またご父兄の父は文字通り父、兄は年長の男だ 封建的な言葉だ 母や姉のような女性は家庭教育を代表することさえ認められていないのか?

以前、私の身近な学校の校長が参観日に「ご父兄のみなさん・・」と何度も呼びかけていた 会場には祖母も祖父も来ていた 朝のテレビ報道番組で、酒の大好きな陽に焼けた顔のいつも高額所得番組に登場する名物大司会者が「ご父兄はね・・」と言っていた さすがにコメンテーターが「保護者です」と小さな声で補足していたが・・ そういう世の中をリードする方たちがその程度の認識である

さて「海外子女教育」という官製の封建的な語がある 日本経済の発展にともなって日本人技術者・ビジネスマン数十万人が海外に生活・活動した そのうちの一部が家族連れであった 当然子供の教育が問題となる 一部の在留日本人が多い町には「日本人学校・補習校」が設置された そこから帰国した児童生徒や現地校卒業者は帰国後ずっと「帰国子女」と呼ばれている その帰国はまだしも「子と女」は少々ひっかかる 

「子」とは子供の総称だが、男子の敬称、大人でも学問上一家をなしたもの(孔子など)もいう だが「女」は性による分類で尊称ではないらしい むしろ姓名の後に女をつけて「下」においていた(「藤原○○の女」など) 当時女性は名前さえ残せなかった とにかく「子女」という言葉自体が古い

 それならいっそのこと、「帰国留学生」または「帰国児童生徒」と言えばよい だいたい外国に住んでいたものを「特別扱い」する発想は「外国人」を「ガイジン」と呼ぶのに通じているように思う

 このようなグローバルな時代、日本と外国を明瞭に分けて、はっきり区別しようとする発想自体が大変古い 幕末明治からあまり進んでいない みなさんはいかが思われるだろうか
[生活一般]
[雑記メモ]

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