このたび、四国霊場歩き遍路を満願いたしました
2013-12-11


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写真は四国霊場八十八ヵ所の最後の寺、大窪寺でのものです 二つある門の新しい方の仁王門です 四国を遍路する者が目指す最後の寺はやはり長く上がった山の中にありました 「最後まで楽をさせてくれないなぁ〜」という感じの終わり方でした

 それでも、この寺より11km手前にある香川県さぬき市の山中にある「おへんろ交流サロン」では歩き遍路終了証明書を兼ねた「四国八十八ヵ所遍路大使任命書」を無料で頂き、先が見えた嬉しさで少しだけ元気になってここまで辿り着きました

 話によると、歩き遍路者でも「通し打ち」という全コースを一度で回る「根性の入った信仰心の厚い」人たちは感極まって涙する人が多い・・ということです 一回で通して四国を歩く場合、雨や風はもちろん台風が来たり、マメができたり足が痛くても、体調不良で体がしんどくても毎日歩き続きなければなりません 数十日間家にも帰れませんし、家人にも会えません

 そうして四国を一周をした人たちが最後の寺に辿り着いた時の気持ちは何となく想像できます 私たちのような「区切り打ち」といういわば「細切れ遍路」でさえも慣れない歩きはいろいろ結構大変でした 足かけ4年、延べ61日、全行程約1100kmを歩くというのも人生初めての体験でした

 マメができる、足の筋肉痛、荷物が重くて肩が痛い、雨のなかで体、靴の中まで水浸し、国道にたまった水をぴしゃと車にかけられる・・・・といった辛い思いではいくらでもあります 特に豪雨の室戸岬手前の道で高知県警のパトカーに多量の水を浴びせられた時はさすがに堪えました

 それでも四国の方々のお接待を含む親切は心に残ります 近畿大・歌一洋氏を始め、善意の方々が作った多くの「お遍路さん休憩所」で休ませてももらったこと、自分の土地を無償で提供し「ヘンロ小屋第一号」を作り、毎日接待していた野村カオリさんの暖かさに触れられたこと・・

 列車内に杖を置き忘れて歩いていたカミさんに、走って追いかけてきて竹の杖を下さった徳島県の食料品店若主人、地元企業が作った「お遍路さん休憩所」で休んでいた時、通り過ぎた車が大急ぎでバックしてきて止まり、冷えたお茶カンを持ってきてくださった地元の漁師風の方、きっと彼は自分用の飲み物を下さったのでしょう 高知県室戸市のことでした

 後から声をかけてきて山のようなミカンを下さった野良のお婆ちゃんたち、仕事中に道の駅でわざわざ走り寄ってきて二人に500円ずつを下さったトラック・ドライヴァーの方、この方とは別の寺で巡り会うことになりました 三日後のことでした 一緒にいたお母さんに「あの遍路さんたちももうこの辺を歩いている頃だなあ」と言っていた後だそうです 不思議な縁(えにし)です

 愛媛のミカン畑の山道を歩いていると、収穫を終えたミカン農家の車が止まり、たくさんのミカンを下さったおばちゃんとお婆ちゃん、ミカンの箱の間には女の子たちが二人いて、「がんばってね」と手を振ってくれました あまいあま〜いミカンでした

 屋島登山口で自転車で追いかけてきてニコニコして1000円を下さったお婆ちゃんはこう仰いました 「お遍路さんはお大師様だ こうすること(お接待)で私も一緒に遍路させてもらっているのだ 有り難いことだ」と

 彼女は一見した所、年金生活者のように見えました その方がいわれるには「あなた方が今日の3組目ですよ たまたまお金を持っていたので団体の方たちにも差し上げました」 「アカの他人」にたぶん潤沢でもない彼女がお金を施して「有り難い」というのです 本当はもらった方が「有り難い」というのですが・・ 四国にはこういう風土があるのです

 四国の皆さん、本当にほんとうに有り難うございました お陰様で結願できました 頂いた食べ物はすべて食し、頂いたお金はすべてお寺の賽銭にさせていただきました 来春は最後の仕上げに高野山に参ります


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