2010-09-15
EU内フランスで「ブルカ禁止法」が成立した 本日付の「MSN産経ニュース」である 以下引用する
「<フランスでブルカ禁止法が成立 欧州初 イスラム諸国反発も>
2010.9.15 08:26
フランス上院は14日、「ブルカ」や「ニカブ」などイスラム教徒の女性の全身を覆う衣装を公共の場所で着用することを禁じる法案を賛成多数で可決した。法案は7月に国民議会(下院)を通過しており、同法は成立した。 ・・・以下省略」
ブルカとはイスラム圏で女性がしている一種のベール・服装である 国によって呼び名は異なる 中東をはじめイスラム教では当たり前の風俗である テレビのシーンでもよく出てくる
もとより先進国では「信教の自由」が保障されている 我が日本も然り 「公共の福祉」に反しない限り憲法がこれを保障する これは民主主義が興り発展した英国で最初に培われた考え方である
歴史上、キリスト教内でカトリックに対抗するプロテスタントに対して過酷な弾圧がつづいた 日本でも神道を是とする明治政府ははじめ仏教やキリスト教を大弾圧した 権力は自分の陣営に不利な者を弾圧する
現代ヨーロッパでナチス・ドイツはユダヤ教をかたくなに信奉するユダヤ人を虐殺したのは有名な話だ また数十年前にドイツ経済が好調な時代にイスラム教のトルコ人を安価な労働力として導入し利用した しかし後に経済が傾くと、ナショナリズムが台頭し「ネオナチ」を中心にトルコ移民の家に火をつけて回った
今回のフランスの場合、フランスと北アフリカを中心としたアラブ諸国は、歴史的には旧宗主国と元植民地の関係になる 先進国は経済が発展すると労働力が不足し、旧植民地から労働力を移入する 旧植民地は経済が不安定で、言葉も問題ないことから「出稼ぎ」に行く
こうした背景が今回の元であるが、フランスも最近経済が万全とはいえず国民のなかにフラストレーションがたまってきていた 動物を含め人は自分とは違うものには拒否反応をする それが排除行動である まして宗教も見かけも異なる安い給料で働く人たちをよい目では見ていない
この問題の起こりはずっと以前に遡る 大学や公共の場所で女性がベールを取らないことから社会問題となった ひとは心に余裕がなくなれば、「寛容の心」が失われる 「不寛容」が歴史上如何に害をなしてきたかは多くの人が知る 現在のパレスティナ問題のイスラエルの姿勢やイラクに対するアメリカの行動がそれを示している
先日のニューヨークにイスラム寺院建設にかんしてキリスト教原理主義者がイスラムの聖典「コーラン」を燃やそうとした事件といい、今回の議決といい、イスラム諸国の反発をいっそう招くだろう 独仏がEUを作ろうとした精神は異文化理解・他民族との協調・融合・多民族の共生ではなかったのか?
先述の「不寛容な法律」が出来たことに、同じEUの国々も驚いているという ひとは基本的には動物的な「排他」の姿勢をもっているが、だからこそこういった極端なナショナリズムは排除しなければならないだろう 憎しみは憎しみしか招かないのだ
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